7days
「チョコレート食って良い?あと、これクッキーも」
「ちょっと中野さん、少しは遠慮してくださいよ」
「別に良いじゃんか。今さら刑事面なんかしてもこの子の前じゃ意味ねえよ。全部知っちまったんだしな。それに食って下さいって言ってるんだし。俺、昼飯食ってねぇんだよ」
1人は中野さんというらしい。30歳。さっきの真面目そうな姿はどこに消えたのか。
おじいちゃんが置いていったお菓子に手をつける姿からは、不真面目さが漂う。
もう1人は、龍ヶ崎さん。ワックスで整えられた茶色の髪。きちんと整えられている身なり。
真面目そうな印象。
「お母さんとお父さんの死因って何だったんですか?」
龍ヶ崎さんは、顔をしかめたけれど中野さんは何事もないように淡々と答えた。
「失血死と失血性ショック死」
そうか。そうなのか。起き上がっていた身体をベットに預ける。
それはかなりの刺し傷があったということ。それか大動脈などの急所を刺されたということ。
怨恨。
冷静に考えている自分が怖かった。