sweet×sweetな恋モヨウ
「この匂いは……“はちみつくまさんキャンディー”だ!」
漂ってくる甘い香りは、アヤのじゃなくて……
「なんで?どこで買ったの?」
生産中止だか休止だかわからないけど、入手困難な俺の大好きな飴の匂い。
「アヤだけずるい!俺にもちょーだい?」
勉強なんてしてる場合じゃないじゃん。
なんで、アヤはいつも美味しいものを独り占めするのかなぁ?
「ダメ。私だってやっと手に入れたんだから。これで最後だし。」
「えーっ?いつ?どこで買ったの?」
「もらったの。」
「なんで教えてくれないの?そもそも、1個くらいくれたっていいじゃん。」
「ヤダよ。ハジメは1個じゃすまないでしょ?何だかんだ言って全部食べちゃうくせに。」
「うーっ、それはっ…」
……ダメだ。日頃の行いが悪すぎた。
「今度もらったら、ちゃんとあげるから。今日は我慢しなさい。」
しゅんとなる俺の肩をポンと叩いて、アヤはなだめるように言った。
うーっ……悔しい。