sweet×sweetな恋モヨウ



「ねぇ、アヤーっ。ここわかんない。教えて?」


教科書を開いて数分。

考えるのも面倒になってきたから、アヤに助けを求めることにした。

毎晩アヤの部屋に来て、その日の復習と次の日の予習をやる。

俺の大事な習慣であり、貴重な時間でもある。


「……また?」


たまには自分でやりなさいよね、なんてぶつぶつ言いながらもアヤは俺の隣に座った。

そして、


「どれ?」


広げてあるページを覗き込む。

自然と近づく距離。


「コレとコレとコレ。」

「……全部じゃない。」


頷きながら、さりげなーくさらに接近。

こうでもしないとくっつけないんだもん。

アヤはいっつも、自分の机に座ったまんまで俺の隣には来ようともしないし。

寂しいじゃん?


アヤが気づいていないのをいいことに、肩が触れるくらいまで近づけば、ふわりと心地よい香りが鼻をかすめる…って、



「また、ひとりで何か食べてるね??」

< 8 / 44 >

この作品をシェア

pagetop