。・*・。。*・Cherry Blossom・*・。。*・。
「ご、極道だぁ。そんなん関係ねぇ。相手は女だ!やっちまおうぜ!!」
仲間の一人が飛び掛ってくる。
あたしはそいつを避けると、腕を掴んで鳩尾に一発膝蹴りをお見舞いした。
ぐっと呻いて、男が地面に沈む。
「なんでぇつまんねぇな。口だけかよ」
「え……朔羅……極道って………」
リコが目を開いて、あたしを見上げる。
怖がってはいなさそうだったけど、ひどく動揺はしている。
「おい!こいつがどうなってもいいってのか!!」
ちょっと離れたところで叫び声がして、あたしはそっちに目を向けた。
メガネの両脇に腕を回していた一人がいつの間にやらナイフを取り出し、メガネの頬に当てている。
「メガネ……」
メガネはちょっと苦笑いを浮かべると、首をうな垂れた。
下を向いてるから表情が見えない。
けど、メガネの肩が小刻みに震えていた。
そうだ…あいつを何とかしなきゃ…
ナイフなんて突きつけられて、怖い思いをしてるもんな。
と思ったけど…
「祖チン……祖チンて」
くっくっくと低く笑う声がして、あたしは目を開いた。
この声―――