。・*・。。*・Cherry Blossom・*・。。*・。
「……ケータイ?」
それもパステルピンク色でわずかにパールがかってる、女の子みたいなケータイ。
それもあたしが欲しかった機種の欲しかった色だ。
「うっそ……」
あたしは箱の中に収まっているケータイを凝視して、口元を押さえた。
「朔羅欲しがってただろ?」
「……うん。でもあたし叔父貴にこれが欲しいって言ったっけ?」
「いや。マサに聞いた。さりげなくリサーチしてもらったんだ」
そいやぁ、1ヶ月ぐらい前からマサが山ほどケータイのカタログを用意して、何故かあたしに見せてたっけ。
買う金もないし、そのつもりもなかったから、一番気に入った一番高い奴を指さしたのを覚えてる。
いつかこんな女の子みたいなケータイが似合う女になりてぇな、って思って。
サプライズッ!!!!
「嬉しい」
あたしは箱ごと胸にぎゅっと抱きしめた。
「俺は本当は朔羅にもっと色々買ってやりたいんだ。お前が望むもの、お前が望むこと。何でも叶えてやりたい。でもお前はあんまり欲がないから」
ははっと叔父貴は乾いた笑いを漏らした。
嬉しかった。そう言ってもらえるのは。
だけどあたしが望むものはたった一つ。
叔父貴の“心”だ。