唇にキスを、首筋に口づけを
〜ジュンside〜
「はぁ・・・」
俺は太陽の出ている日中、
暗幕を締め切って、光が入らない中で横になっていた。
光があっても、ある程度は平気なのだが、
やはり光がない方が落ち着くというもの。
ふと、鼻に異様な匂いが入り込んできた。
ん・・・?
俺は何だか、嫌な予感がして身体を起こした。
この匂いは・・・
なんだ?
人間・・・?
まさか・・・。
俺は急いで暗幕を開けて、
ゆりながいるはずの庭を見た。
「・・・!!!」
あれは・・・!!!
内田・・・爽哉・・・!!!
ドクンドクン、
俺の心臓が早くなり始めた。
・・・本当に来やがった。
嘘だろ。
今が、チャンスじゃないか。
あいつに、
屈辱を与えて、
甚振るチャンス。
俺は外に足を踏み出そうとした。
しかし、
目に入ってきた光景に俺は絶句してしまった。
ゆりなと、内田爽哉が抱き合って。
・・・ズキン
俺の胸が急に痛む。
なんだ、この胸の痛み。
表現し難い痛みだ。
ゆりなはとても、幸せそうで。
そう思うと更に胸が痛む。
クソ、前に足を踏み込めない。
ゆりなのあんな顔、俺は見たことがない。
俺は立ち尽くしていた。
けど、行ってしまう・・・。
2人が。
その時だ。
バン・・・!!
そんな音がして俺は振り返る。
どうやら俺の部屋の扉を蹴破った音だったらしい。
「おい!ジュンきたぞ!獲物が!!」
兄は嬉々としていた。
ほんとにお前の言う通りになったなぁ、なんてニヤニヤしている。
「追いかけなくていいのかぁ?」
ハハッと笑う兄貴。
俺は唇を固く結んだままだった。
そんな俺の様子に兄貴は不信感をもち、痺れを切らした。
「お前が行かないなら俺がいこーっと!」
そう言って兄貴は駆け出した。
咄嗟に俺の口が開く。
「やめろ!行くな!!!」
自分の口から出た言葉に自分で驚く。
そしてハッとする。