唇にキスを、首筋に口づけを
今更になって気付いた、俺の気持ちに。
はぁ・・・
俺は暗幕を締め切って横になる。
「行かなくていいのか・・・?」
俺の不審な行動に違和感を持ったのか、兄は俺に近づいてそう言った。
「行くな。放っておいてくれ。」
俺は体を丸める。
兄は理解不能、っというような顔をしていた。
パタン、と扉が閉まる音がして。
「はぁ・・・」
俺はため息をついた。
何故だろう・・・。
まさか、本当にあの狩人が来るなんて思ってもなかった。
絶対にゆりなを救いに来ると、予想していたけど、まさか、まさか本当にやってくるなんて。
本当に、ゆりなが此処からいなくなるなんて、想像もしてなかった。
何故今更に気づく。
あんな・・・人間を愛してしまったなんて。
何故俺は・・・。
どうして愛してしまった?
愛を感じる点がどこにある?
わからない、わからない。
なんだこの複雑化された感情は。
あの、ゆりなの幸せそうな顔を見て・・・
あの狩人といた方がゆりなのためになるし、ゆりなは幸せなんじゃないか、なんて。
どうしてそんな風に感じてしまった。
俺はバカだ。
あの種族の異なる、俺たちの敵である人間を好きになったなんて・・・。
ヴァンパイアとして屑だ、クソだ。
「あぁ・・・」
そして俺は頭を抱えるのであった。