唇にキスを、首筋に口づけを
またか
俺は反射のようなスピードでため息をついてしまう。
「いくら言ったらわかるんだ」
そう言って俺は扉にいるであろう兄を見た。
やはりそこには兄。
「なにがー?」
ケラケラと笑いながら俺の近くに座り込んだ。
「わかるだろ、
ノックをして静かに入ってこいってことだよ。」
俺は呆れた目線で兄を見る。
「わりーわりー!」
そう言って俺の頭をグシャグシャと掻きむしった。
うるさいな。
「と・こ・ろ・でぇ〜
ジュンくんは何をしてたのかなぁ?」
急に口調が変わったかとおもえば、
俺の額に人差し指を食らわす。
すなわちデコピンである。
痛い。
「いてぇよ。
臭い嗅ぎゃわかんだろ。いちいち聞くな。」
俺はソッポを向く。
うざったすぎる。
そういうこと、触れないで頂きたいものだ。
「あ〜否定しないんだ〜
なんか俺みたいなことしてるね〜
どう?たのし?」
へへっなんて笑いながら俺の頬をツンと突く。
接し方がいつにも増してうざい。
「楽しいわけねぇだろ。
ただの行為だ。
臭いはクセェし最悪だな。
まぁ暇つぶし程度のことだ。」
ハッなんて俺は空笑い。
するとなんだか、兄の周りを囲っている空気がパキッと変わったような、そんな気がした。
「ふぅ〜〜ん。
俺には、
何かを埋めるみたいにしてるとしか思えないんだけど??」
ゾワ、
俺の肌が栗立つ。
なんだか、不思議な雰囲気だ。
口調は軽いのに、なぜか脅迫されているような気分になる。
変な所で勘が鋭い。
違う、俺の変化があからさますぎか。
「俺だってそういう時期だってある。
なんか欲求不満なんだよ。
あー血が飲みてぇ。」
俺は早口でペラペラと喋り、立ち上がる。
「狩り出てくる。」
俺はこれ以上兄とその場を過ごしたくなくて部屋を出た。
欲してもいない血液を求めて外に出た。
・・・っ、
兄に言及されるのを逃げた。
早く、忘れろ。
全て、なくなれ。