唇にキスを、首筋に口づけを
横になったところで、頭をぐるぐると回るのは、ゆりなの姿でしかなかった。
ドレスを着て、キラキラと輝いていた、ゆりなの表情が。
愛しくてたまらなかった。
あの気持ちは・・・ゆりなが俺を拒絶したときの気持ちは・・・
きっと哀しみでしかない。
あのときから俺はゆりなを想っていたのだな。
・・・くそ、何を考えてるんだ。
忘れるんだろうが、この馬鹿が。
俺はそう思って立ち上がり馬車を街へ走らせることにした。
そして裏オークション会場へと足を運ぶ。
ここはまぁ、所謂人を売っている、というところか。
事故などに紛れて商人たちが人間界の人間を連れてくるのだ。
俺は親の名を借りてオークションに参加した。
ひたすら人間界でいう東洋人を落札しまくった。
・・・忘れるためだった。
5人以上の人間を買い占めて、俺は屋敷へと戻り、空き部屋に一人ずつ入れておく。
どうしても、ゆりなの部屋に入れることはできなかった。
・・・ゆりなの匂いが、なくなってしまうことが嫌だった。
俺は新しい女たちをゆりなの代わりのように接した。
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ある日の深夜
1人の女と何かを塗りつぶすかのように情事を行ってそのまま部屋に戻って放心状態に陥っていた。
・・・胸糞わりぃ。
求めるように首に手を回す人間の女の腕が、どうも俺の肌に悪寒が走ったのだ。
何日も何日も女を変えて忘れるように努力してもダメだ。
クズだ俺は。どうすればいい俺は。
バン!!
そう俺が項垂れていると、
ドアを蹴破る音がした。