唇にキスを、首筋に口づけを
っ、
私は反射的に一歩後ろに下がった。
そして出た言葉。
「ごめん、・・・受け取れない。」
なんで、なんで、なんで・・・、
こんなに罪悪感に見舞われなくちゃいけないの・・・?
そんな顔を、しないで。
やめて、
あなたに、応えてしまいそうだから。
私はジュン君を視界に入れないよう、
俯いた。
「こっち、見て?」
優しい声色が、私の耳にスゥっと入り込んでくる。
何なの、もう。
ここで私は顔をあげて平気なの?
顔を上げても、彼の気持ちにはいと、言わない?
絶対に・・・?
っ、ああ、だめだ。
勇気がない。
多分ほんの5秒間の間だったかもしれない。
けど、私は、何分にも何十分にも何時間にも感じられた。
ああ、なんて、胸が、痛いのか。
わからない。
そして、真上から息を付くような声が降ってきた。
ため息、とやらかな。
「・・・ごめん」
そんな声が聞こえた。
そして、足音が遠ざかっていくのがわかった。
・・・いなく、なったの?
私は恐る恐るか顔をあげた。
私の目の前には、誰もいなかった。
そして間も無く、バスが停まった。
・・・あ。
の、乗らなきゃ。
私は慌てて乗り込んで、空いている席に座った。
そしてバスが発車する。
・・・。
「っ・・・」
何、この、心臓の痛み。
早鐘、しすぎ。
さっきのジュン君の顔が、頭に張り付いてはがせない。
そう思ったら、どんどん出てくる。
彼の、色んな顔が。
笑った顔も、混乱したみたいなら顔も、得意げな顔も。
あの、おでこにキスしたときの熱までもが、
また帯だし始めた。
しかも、なんなの?
ごめん、って何が?
もう、意味わかんない。
っ、意味深な言葉残して立ち去るんじゃないよ、
本当に。
・・・、
ああ、もう、嫌。