唇にキスを、首筋に口づけを
私は制服に着替え、スタッフルームを出て仕事を始めた。
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「お疲れ様でしたー。」
一日のバイトが終わり、まだ残っているスタッフに声を掛けて外に出た。
「ぁっつ・・・」
私は一言呟いた。
はあ、夜になってもこんなに暑いか。
暑いというか、
なんか空気が肌にまとわりつく感じだ。
湿気がすごい・・・。
はあーあ、今日も疲れたぁ、なんて心の中で呟く。
そして数分歩くとバスロータリーにでる。
バス停には人がいなかった。
私は時刻表と時計を確認。
う、今行ったばっかだ・・・。
あー、7分待ちかあ・・・。
私は仕方なくバス停に突っ立っていることにした。
そして数分が過ぎた頃だった。
「ゆりな?」
ふと、私の名を呼ぶ声がした。
え・・・?
私は咄嗟に振り向く。
・・・!
私は、私の目に映る人を見て息を飲んでしまった。
ごくん、なんて音が妙に響くではないか。
「ジュ、ジュン君・・・」
私は吃りながらも言葉を作った。
するとニコリと笑われた。
お、オーラが・・・。
「よかった、
本当にゆりなだ。」
「う、うん」
ど、どーしよー・・・。
めちゃめちゃ私、動揺してる。
動揺していることも、バレてる。
そしてしばらく沈黙が流れた。
・・・なんだか、
空気の隔たりがありがたく感じられた。
そしてその沈黙を破ったのはジュン君だった。
「あのさ、」
そんな、切り出し方で。
私はまた大きく生唾を飲み込んでしまう。
また、音が響く。
「この前は、
いきなりごめんね?
・・・けど、僕の気持ちは本当だから。
諦めないってのも、嘘じゃない。」
どくん、なんだか心臓が痛くなった。
何故だがは、知らない。
自分の胸に聞いても、答えてくれない。
「もう一度言うよ、
好きだよ、ゆりな。」
顔を、伺うように近づけられて言われた。