唇にキスを、首筋に口づけを
____________数日後
「ほへー・・・」
「ゆりな。口、閉じろ。」
えっ、
私はそう言われ、ハッとして口を押さえる。
「んにしても、
でかい会場だな。」
爽哉が一つ、息を吐いた。
私達の目の前に広がるのは、
超豪華な感じのパーティー会場だ。
そう、今日は例のパーティーの日だ。
あれから・・・、
あれからと言うのは、まあジュン君とのことなんだけど・・・。
まだこんこんにも話せず、
なんだからもやもやした気持ちが隠しきれない。
なんだか、心臓がふわふわしてて、すごく気持ち悪い。
「いくぞ。」
爽哉がそう言って歩き出した。
私もそれに続く。
爽哉が出席簿的な奴に書きつけ、
私達は会場に入っていく。
「・・・」
ごくり、私は息をのんだ。
・・・やっぱり若い人ばかり。
10代から20代、といったところか。
あ、あの人、私とほとんど同期の人だー。
あ、あっちはヤバイ、
若くして結界師としてたくさんの人に認められてる・・・。
あ、でもやはり主催者なのか、年配の方々もいらっしゃるようだ。
私がキョロキョロしていると、
「本日はお招き頂き、誠にありがとうございます。」
爽哉凛とした声で挨拶をした。
あ、いかんいかん。
私も我にかえって会釈した。
顔を上げると、
かなり上の方だった。
「内田くん、
君には期待しているんだ、
これからも頑張って。」
「ありがとうございます。」
爽哉はいつもと違うような、
大人っぽい笑顔を浮かべて言った。
う、うわ。
なんだから世界が違うみたいだ。
そんなこんなで爽哉はそれからもたくさんのお偉いさんに話しかけられていた。