執事と共にバレンタインを。
「多分、すり替えたのはぶつかったあの人ね」

「かばんを取り落としたときですか」

「そう。それで、このカバンにはあらかじめ大麻の箱が入っていたのよ」

「それを、お嬢様に渡した、と」

「ええ、同じメーカーのかばんだったから、そのまま落ちた荷物を入れてしまったわ」

「そのあとすぐ、私がお預かりしてしまいましたからね。気づかずに申し訳ございません」

「春樹は悪くないわ。私も気づかなかったもの」

「でも、どうしてそんなことを、」
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