執事と共にバレンタインを。
「寝る前に、」

「ブランデー入りで、よろしかったですか」


言いかけた言葉を、春樹はすでに悟っていた。

流石は、優秀な執事だ。


「ええ、紅茶を入れてちょうだい」

「貴方が、望むのなら」


恵理夜は、その香りに頭を寄せた。

――きっと今夜は、安心して眠れるだろう。
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