執事と共にバレンタインを。
バックの口をあけ、容赦なく逆さまにされた。

あまりの扱いに、恵理夜は眉をひそめる。

しかし、所詮は女子高生のかばんの中身だ。

教科書に筆記用具、ポーチに手帳に財布に携帯、それからチョコレートの箱――それだけだ。

今日がバレンタインということを踏まえればなんの変哲も無い。

恵理夜は、ポーチに入っている薬を思い出した。

シラヤナギが言っていた、クスリを狙っている人たちに、自分は捕えられたのだろうか。
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