執事と共にバレンタインを。
恵理夜は、後ろ手に縛られた手に携帯を持つと転がされていたソファの上に戻った。

そして、唾液で粘着力を失ったガムテープを吐き出すように剥がした。


こんな時に、その口元を拭ってくれる彼の存在が切に必要だった。


恵理夜は、後ろ手のまま慣れた手つきで短縮ダイヤルボタンを押した。

それをソファの上において自分はソファから降りる。
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