執事と共にバレンタインを。
「何、と言われても……」


見た通りではないか、と恵理夜は目を丸くしたまま心のなかで呟いた。

チョコレートがそんなに不満だったのだろうか。


「舐めた真似しやがって……」


怒りでわなわなと震えながら彼は一粒を手に取った。

部下も困惑した表情でそれを見守る。
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