執事と共にバレンタインを。
「三半規管が狂ってしまっただけです。しばらくおとなしくしていれば治りますよ」


何度も、立ち上がろうと試みて失敗する相手を見て、春樹は淡々と言い放った。


「舐めた真似してくれるじゃねぇか。こっちにはなあ、人質ってもんが……」


と、部下の一人が恵理夜の髪をつかみ上げた。

――が、その男も同じように崩れ落ちた。
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