執事と共にバレンタインを。
「反則には、罰則がつきものです」


春樹のナイフが、カトウの右手に刺さっていた。


「もう、いつも美味しいところを持っていくんだから」

「そんな……」


恵理夜は、かばんから自分のハンカチを差し出した。

春樹は、それを恭しく受け取り、血の滲んだ唇をぬぐった。
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