lucky×unlucky
それからパタリと会話は止み
無言の状態が続いた
「………」
「………」
風でゆらりと揺れる小さな箱
なんとなく篠宮さんへ視線を向ければ、目を閉じていて何か考えているようだった
「………」
大きくて澄んだ瞳は今は閉じられ、長い睫毛が際立つ
ただ目を閉じて座っている姿さえ、どこか気高さと気品を感じる
「………」
徐に視線を落とし、自分の手を見ながら握ったり開いたりを繰り返す
…さっき腕に抱き込んだ篠宮さんは思いのほか華奢で、香水なんかじゃない…甘い匂いがした
柔らかくて、きめ細かく白い肌
もう一度触れられたら…
「~~~って‼」
何考えてるんだよ‼
ほんと今日の俺可笑しいって‼
そもそもこんな密室だから頭が変になってるんだ‼
そう思い、俺の後ろにある窓の鍵を開けて勢いよく押し上げた
ブワッと強い風が入り、髪が乱れるが俺は気にしない
「ちょ…いきなり何⁉」
だけど篠宮さんは勿論気にする訳で
驚いたように目を見開いたあと、髪を直しながら抗議の声をあげる
「あはは…ごめんねぇ~」
危うく篠宮さんで変な想像しちゃいそうだったから
頭を冷やそうと思って…
なんて、言えず笑って誤魔化していれば、なにやら聞き慣れた声がした