lucky×unlucky


「……ほんと、馬鹿」

身体をよこへ向け、体育座りになると足に顔を埋める

こんな、面倒臭い感情は忘れたままでいたかった

壊れるのは一瞬だと、日向の事で痛いほど思い知ったというのに

懲りない奴

自己嫌悪にかられて更に体を縮めると、タイミングよく携帯が震え出した


「……あ」

着信相手は今、まさに考えていた人の名前

はやる気持ちを抑えて一度深呼吸した後、通話ボタンを押して、徐に耳へあてる

「……もしもし」

”篠宮さん!?いま何処にいるの!?”

キーンと耳が痛くなるような大声を上げられ、思わず携帯を放り出しそうになったが寸前で止める

「…屋上」

”え⁉︎無事なの⁉︎怪我は無いの⁉︎そこには誰かいるの⁉︎”

いつもの間延びした声はすっかり消え失せ、早口でまくしたてられ一瞬呆気にとられる

もしかして…心配されてる?

「…誰もいないしなんともない。大丈夫よ」

”…そう…良かった”

良かった…と噛み締めるように呟いた山本にキュッ…と胸が締め付けられる

山本の馬鹿…これ以上迷惑かけたくないなんて思っちゃったじゃない


「…だから、探さなくていい」


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