lucky×unlucky

-篠宮杏side-

よく分からない薬品を嗅がされ、眠らされて…

気が付けば私は冷たい床の上に転がされていた


「……はぁ」

最近ろくなことが起きないわね
まぁ、私の不運は何時もの事だけど

なんて、ため息交じりにひとりごちり、意外と冷静な頭でこの状況をどう打破すればいいのか考える

真っ暗で何も見えなかったが、だんだんと目が慣れてきて、徐に周りを見ればボールやマットが無造作に置かれていて、ここは用具倉庫だと分かった

しかし、この学校は進学校とうたってはいるが、スポーツにも力を入れているため、運動場と体育館がいくつかある

当然、倉庫もいくつかある訳で…私がどの辺りにいるかまでは断定できない

それに、今日は新歓だ。部活も授業もなし。テントや机などの片付けは明日だから倉庫はよっぽどがない限り使わない

おまけに両手足を結束バンドで縛られているから身動きも取れないし

ポケットに入れていた携帯電話も抜き取られている…


「…っとに、嫌なくらい用意周到ね」

とりあえず、コンクリートの上だと身体が冷えるので近くにあったマットに体を預けた

さて、どうしようかしら

とりあえず、このバンドを外す道具は何かないのか探そうと体を芋虫のように動かしていたら

突然、厚いシャッターの隙間から沢山の光が入り込んできて

「…何してんの」

咄嗟に目を瞑り、ゆっくりと瞼を開けた時には

怪訝そうな顔で私を見つめる

自分を拉致した張本人がいた
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