lucky×unlucky
「何って…あなたには関係ないでし…ですよね」
そういえば、今の格好は冴えない地味な女の子だった
慌てて敬語に直して、眼鏡越しに睨み付ける
「それより、ここから出してくれませんか」
「…それを聞く?あんた馬鹿なの?無理に決まってるじゃない」
こいつ…こんな性格捻じ曲がった奴なの!?
ハッと鼻であしらい、私の目の前まで来てしゃがみこみ目線を合わせる彼女に口元まで出かけている言葉を必死に押し込める
「もうすぐ紘香さんが来るから、貴方の処分はそれから決めるわ」
「え?…処分って…何のことですか?」
まぁ、大体は想像がついているけど
怯えているフリをしながらおずおずと女の子に問い掛ける
「惚けないで。貴方にも心当たりがあるはずよ。山本くんと平くん。あの二人に近付き過ぎたのが運の尽きね…貴方は紘香さんの逆鱗に触れてしまった」
私の運なんてとっくの昔に尽きてるわよ、なんて心の中で皮肉を言いながらあー…やっぱりあの二人が出るんだなと少し笑ってしまった
「…何笑ってんのよ」
「いえ、別に。山本くんと、平くんは私の友達です…どうして一緒に居るのはダメなんですか?」
こんなこと、本人には絶対言えないけど
気付かれない程度に目だけ動かしながら問い掛ける
「あの二人は紘香さん達ものなのよ。貴方みたいな人が独占出来るモノじゃない」
何処か他人事のような言い方に疑問を抱いたが、それより彼女のあの二人はモノ発言にムッとする
「あの二人はモノなんかじゃない。それに、誰と一緒にいたいかは山本くんと平くんが決めることで、私も含めて貴方たちが決める筋合いはないですよね」
「…それは」
「まぁ、誰が何と言おうとあの二人から離れるつもりはありませんけど」
山本と、亮介くんと私でいる屋上の時間は案外悪くないし
なにより、外見だけしか見てないただのミーハーになんか負けるつもりはないわ
眼鏡越しでフッと不敵に笑うと、彼女は虚を突かれたのか大きく目を見開いた
僅かに揺れる瞳にまた首を傾げそうになったがその前に彼女はスッと立ち上がると私に背を向けて歩き出す
「…紘香さんに会ってもそんな事言えるかしら」
そんな言葉を言い残して彼女は倉庫から姿を消した
「結局何しに来たの?」
思わずこぼれた声は誰にも聞かれることなく倉庫に静かに響いた
