姉妹

「あなたを責める理由はあるのよ、美紅ちゃん」




「だってあなたは、」




―この決定的な一言さえ、定型化されて面白くない




「悪魔の子だもの」




「美月ちゃんより、いいえ、どんな人より、幸せになる権利なんてないのよ」




言い切ったとばかりに祖母は美紅を一瞥した



そして硬直した




意地の悪い顔をしたのは、美紅のほうだった




「それで?」




―もう、”悪魔”だなんて言葉、怖くないのよ
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