姉妹

「私はいつだって一緒」


美紅は絵梨花が「私は」の部分を強調したように思えた


あれは私への当てつけだわ


美紅は思った


絵梨花はああ見えて鋭いところがある


それに絵梨花にいわれっぱなしで何も言い返せない自分がいた


姉様のことは誰より大事にしてきたのに



その罪悪感からか、隣で混乱している美月に声をかけた


「姉さま、もう帰りましょう」



優しく

溶けるくらい優しく



美紅は美月を抱きしめた


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