姉妹
―暗くなる前に帰りなさい
そう善蔵に言われて姉妹が病院を出たのは夕方だった
他愛もない話をしながら、二人は家路へ肩を並べて歩いていた
「ねー美紅、もうすっかり晴樹君とラブラブじゃない!」
「え、ラブラブってそんな、そんなことないよ…」
「どこからどう見ても彼氏じゃない」
「え?」
美月が何かをつぶやいたような気がしたのだ
「もうすっかりカップルよ!自信を持ちなさいって」
そういって笑って見せた美月の笑顔に、美紅は本心ではないのではと思った
でも触れたくはなかった
だから無意識のうちに蓋をしたのだ
「ありがとう」
二人は何事もなかったかのように自然と学校の話題を喋りながら帰宅した