姉妹
「ざっと、こんな感じ」
「ふうん」
和也は頬杖をついていた
「重くなかった?」
美月は不安になってしまった
「別に?」
安心させるように和也は顔を見て微笑んだ
「その割に、反応薄くない?」
「確かに普通の高校生は体験してこない生い立ちだね」
「そうね」
「他に話残したことは?」
「ないわ。むしろ話しすぎたかと思うくらいよ」
「全部聞くのは俺が初めて?」
和也は目を輝かせた
「いいえ。絵梨花には一度話してる。というか当事者でもあったし」
「なんだ」
和也はあからさまに落胆した
「でも、」美月はうつむいて言葉をつなげた
「でも何?」
和也は身を乗り出した
「夢の話はあなたが初めて」