姉妹
「水原美紅さーん!」
「え?」
確か晴樹くんの友達の・・・誰だったかしら
「良かったらメアド交換しない?双子のお姉様も!」
「「いいわよ」」
「俺も!」
晴樹が顔を真っ赤にして駆けてきた
「俺とも交換してくれないかな」
「喜んで・・・!」
美紅も頬を染めて、嬉しくて微笑んだ
「たかがメアド交換で何躊躇してんだか」
「初々しくて可愛いじゃない」
「お姉様!」
「美月でいいわ」
美月は美紅の幸せそうな照れ笑いを眩しそうに目を細めて眺めていた
純粋に"姉として"喜んでいた
美紅のこれまでを思えば、"たかがメアド交換"でも大変な喜びを見せるのは至極当然のことであった
「姉さん、帰りましょう!」
「えぇ」
・・・こんなに嬉しそうに笑う美紅を見るのはいつぶりかしら
美月は驚いたが、胸のうちに隠しておいた
「また明日ね、美紅ちゃん」「美紅ちゃーん!ばいばーい!」
「うん!また明日」
「美月ちゃんも」
「美月お姉様ー!」
「クスクス・・・ばいばい」
「晴樹くん、良さそうな人ね」
「うん・・・」
本当に良さそう
「あんな人と初日から仲良くなれるなんて、美紅も隅に置けないわね」
「姉さま!」
姉妹はじゃれながら家路を辿る