姉妹
本当に・・・綺麗
平和だわ
怖くなるくらい
「おじいちゃんただいま」
「おぉ、美月か」
「とても綺麗な庭ね。春っぽくて」
「小さな池を作って朱塗りの橋を掛けてみたのだが、気に入ったか?」
くすくすと美月は笑った
「えぇ、とても」
悲劇の始まりの場所
「そうそう、おやつがあるから来なさいって。」
「今日は桜の水饅頭だぞ」
「そうなんだ。美味しそうね」
「ねぇ、せっかくだから縁側で食べない?お庭も綺麗にしたわけだし」
「お、良い考えだ」
「美月姉さまは風流ね」
「そうかしら?そうと決まれば、ここにお茶とお菓子を運ばないと」
「手伝うわ」
姉妹が台所へ駆けていく後ろ姿を善蔵はしみじみとみていた
「もう少し・・・」
そう呟いて