姉妹

本当に・・・綺麗


平和だわ


怖くなるくらい


「おじいちゃんただいま」


「おぉ、美月か」


「とても綺麗な庭ね。春っぽくて」


「小さな池を作って朱塗りの橋を掛けてみたのだが、気に入ったか?」


くすくすと美月は笑った


「えぇ、とても」


悲劇の始まりの場所


「そうそう、おやつがあるから来なさいって。」

「今日は桜の水饅頭だぞ」

「そうなんだ。美味しそうね」

「ねぇ、せっかくだから縁側で食べない?お庭も綺麗にしたわけだし」

「お、良い考えだ」

「美月姉さまは風流ね」

「そうかしら?そうと決まれば、ここにお茶とお菓子を運ばないと」

「手伝うわ」

姉妹が台所へ駆けていく後ろ姿を善蔵はしみじみとみていた

「もう少し・・・」

そう呟いて


< 61 / 327 >

この作品をシェア

pagetop