ラブソングをもう一度
いつの間にか、眠っていたらしい。
あたしは、あなたの腕の中で目を覚ました。
閉めきったカーテンのせいで、薄暗い部屋が、妙に心地いい。
腕を伸ばし、あなたの頬に手を添える。
起きる気配のない、あなたを愛しく思う。
長い睫毛、すっとした鼻、形のいい唇に、尖った顎。
「おはよう」
起きるわけない、と思ったのに、あなたは、気付いたらしい。
「おはよ」
眠そうにあくびをして、当然のようにあたしを抱き寄せる。
その仕草ひとつに、あたしの心は揺れる。
「今日は、バイトは?」
「今日は、休み」
少し微笑んで、あたしの頭を撫でる。
「じゃあ、1日一緒にいてくれる?」
「はは。今日は素直で可愛いんだな」
海は、爽やかな顔して、甘い台詞を平気で言う男らしい。
知らなかったことをまた一つ、知る。
あの時は知らなかったことを、知っていくことは、なんだかこそばゆい、幸せだ。