ラブソングをもう一度



「言ったでしょ。人は、口ではいくらでも嘘が吐けるって」

その瞳に吸い込まれないよう、完全に身動きが取れなくなりそうになる前にできるだけ、冷たく、そっけなくする。



「じゃあ、俺は騙される。レイという、人間に、騙される」

それは、予想していなかった台詞だった。

そしてここが、あなたを不幸にしなくても済んだ、最後のチャンスだったと思う。

あなたにさよならを言える、最後のチャンス。




自分の、身勝手で幼稚なワガママで、あなたを縛りつけてしまったこと。


それは、あたしが今も、後悔していること。



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