ラブソングをもう一度
「そこに、来たわけだ?"カイくん"が」
「そう。歌ってても、誰も立ち止まらない。もう、帰ろうかなって、思ったときだったの。バイクを止めてあたしの目の前に彼が立ってたのは」
あの日、あの時の海の表情はあたしは一生忘れない。
今にも泣きそうな、海の顔。
どんな人か知りたかった。
優しい海をそんな顔にさせた人物を知りたかった。
「歌い終わるとね、ありがとうって言ってくれたの」
「そうして、知り合ったわけだ?」
「違うよ。あたしが一方的に彼を知っただけ」
「それじゃあ、どうやって知り合ったの?」