君に嘘を捧げよう

「タクト」

「なに?」

「お花見、楽しみにしてるね」

「…うん」

俺にとってはちょっと複雑だ。

なんたって初デートですからね…。

デート経験のない俺はなにすればいいかわかんないし、なによりデートなんかしてボロがでて俺が『タクト』じゃないってばれたら…。

「はあ…」

「またため息。ホント最近ため息ばっかなんだから」

「そう?」

< 16 / 99 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop