君に嘘を捧げよう
約束
次の日、俺はモヤモヤしていた。
なんでアヤネとカイが…。
まさか…ついにカイにくどき落とされたとか。
そんなマイナス思考にしかいかない俺の脳内。
抱きしめあう2人を目撃してしまった俺はあの後、なさけないことにそのまま帰ってしまった。
いわゆる現実逃避ってヤツだろうか。
でも、帰っても頭のなかで繰り返されるあのシーン。
だからきのうは一睡もできなかったしなんかフラフラする。
そんなとき。
「タクト、おはよ!」
アヤネだった。
「…ああ、おはよ」
「どしたのタクト、元気ないよ?」
アナタとカイのせいなんですけど…。
俺は一瞬きのうのことについて聞こうと思った。
けど。
「じゃ、じゃあ俺用事あるし…」
俺はその場を立ち去った。
なんか聞きづらかったし、それに…。
アヤネといると、辛いし。