君に嘘を捧げよう
約束

次の日、俺はモヤモヤしていた。

なんでアヤネとカイが…。

まさか…ついにカイにくどき落とされたとか。

そんなマイナス思考にしかいかない俺の脳内。

抱きしめあう2人を目撃してしまった俺はあの後、なさけないことにそのまま帰ってしまった。

いわゆる現実逃避ってヤツだろうか。

でも、帰っても頭のなかで繰り返されるあのシーン。

だからきのうは一睡もできなかったしなんかフラフラする。

そんなとき。

「タクト、おはよ!」

アヤネだった。

「…ああ、おはよ」

「どしたのタクト、元気ないよ?」

アナタとカイのせいなんですけど…。

俺は一瞬きのうのことについて聞こうと思った。

けど。

「じゃ、じゃあ俺用事あるし…」

俺はその場を立ち去った。

なんか聞きづらかったし、それに…。

アヤネといると、辛いし。



< 25 / 99 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop