君に嘘を捧げよう
「なになにあの子アヤネちゃんゆーのー?」
「うんそうだけどじゃなくて…」
俺はアヤネが俺を『タクト』だと勘違いしてること、俺が『タクト』を演じていること、その他全部カイに話した。
「…やばいやんそれ!」
「うんそうだからカイにも話合わせてほしーの」
「よっしゃまかせとけ!」
そういうとカイはアヤネのところに行った。
「お初じゃなかったわーアヤネちゃん」
「?」
「小学校のとき一緒のクラスやったやん。覚えてない?」
「…はい…ごめんなさい…」
ペラペラしゃべるカイにアヤネは困惑ぎみだ。
「まあ無理もないわーあのころは俺も病弱やったしな。よくガッコ休んどった」
「はあ…」
よし、ナイスフォロー!
ただ…。
「カイ近い!」
「うおうっ!」
10cmにも満たなかったカイとアヤネの間を無理矢理引きはがした。