君に嘘を捧げよう

「なになにあの子アヤネちゃんゆーのー?」

「うんそうだけどじゃなくて…」

俺はアヤネが俺を『タクト』だと勘違いしてること、俺が『タクト』を演じていること、その他全部カイに話した。

「…やばいやんそれ!」

「うんそうだからカイにも話合わせてほしーの」

「よっしゃまかせとけ!」

そういうとカイはアヤネのところに行った。

「お初じゃなかったわーアヤネちゃん」

「?」

「小学校のとき一緒のクラスやったやん。覚えてない?」

「…はい…ごめんなさい…」

ペラペラしゃべるカイにアヤネは困惑ぎみだ。

「まあ無理もないわーあのころは俺も病弱やったしな。よくガッコ休んどった」

「はあ…」

よし、ナイスフォロー!

ただ…。

「カイ近い!」

「うおうっ!」

10cmにも満たなかったカイとアヤネの間を無理矢理引きはがした。



< 7 / 99 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop