君に嘘を捧げよう
『タクト』
「あー、いいねえこの開放感!」
俺は開放感にひたっていた。
そう、今日から夏休み。
「タクト、課題も多いんだから、ちゃんとやんなよ?期末の点数悪かったんだし」
「う」
まともな意見を言っているのはアヤネ。こうみえても、テストは結構いい点数取れてる。
「…ちゃっかりしてるよね」
「何が?」
「んーん、何でも」
「ふーん…」
するとアヤネは何か思いついたようにカオを突然あげた。
「わ、何?」
「今日、うちで課題一緒にやる?」
「うんいいよー…ってはい!?」
「んじゃー決まりねー」
「あう、ちょ、今のは間違…」
「来るのは準備できてからでいいよ。じゃ、道具ちゃんと持ってきてね」
また後でー、とアヤネは分かれ道で手をふってルンルンで帰っていった。
「……」
アヤネとしては、彼氏を家に呼んだんだから嬉しいかもしれない。てゆーか、幼なじみの『タクト』は何回も家にあがったことくらいある、みたいな話前にしてたし。
けど俺は女の子の家なんてあがったことないのよ!?(←オネエ?
まあアヤネは俺のこと『タクト』だと信じ込んでるからフツーのことなんだと思うと思いますけど!