君に嘘を捧げよう
でも約束つけちゃったし、行かないわけにも…。
「…ま、何事もれっつとらーいだし!?」
今日の俺はなんだかポジティブだった。
「キンチョーするな…」
俺は道具をそろえてバックにまとめ、教えられたアヤネの家の前まで来るところまではきた。
まではきたけど。
インターホン、そのボタンひとつが俺には押せない。
なんたる俺のヘタレ…。
「…覚悟を決めるんだぁ!」(?
そう言って勢いで押そうとしたけど。
ガチャ、とドアを開けてアヤネが出てきた。
俺はボタンを押す姿勢で制止。
「…何やってんのタクト?さっきの声聞いて出てきちゃった」
「……」
そこまで大きかったですか声。
「なんか覚悟を決…」
「わー何でもないしーははは」
笑顔でごまかした。