君に嘘を捧げよう

運悪いことに今日は日直だった。

「新学期早々…重い!」

放課後。

教室に運ぶ資料やらなんやら、俺は1人で持っていた。

「大体もう1人どこいったんだよ…」

ちょっと恨み。

頑張って3階の教室まで1人で運んだ俺、偉い。

俺しかいない教室でちょっと一休みしていると、誰か教室に来た。

その意外な人物に俺は驚いた。

「よう偽者」

「…『霧沢タクト』…」

俺とまったくと言っていいほど似ている『タクト』だった。

「アヤネならいませんけど」

なんか敬語になった。

そんな俺を小馬鹿にするように『タクト』は鼻で笑った。

「見りゃわかる。お前しかいない。…俺はお前に用があんだよ」

「は?」

なんだろうか。てか、なんか態度ムカつく。
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