「キカイ」の子
冬彦の放ったその言葉は聡や郁恵から発言する力を奪うのに十分な威力を持ったものだった。








「父さんに…夏美の何が分かるの?」







キリキリキリ…








冬彦が言葉を絞り出すのと同時に、あの『歯車』が回るような音と胸や頭に走る激痛が冬彦を襲ったが、彼は話すのを止めようとはしなかった。









「……夏美は、思いやりがあって…明るくって…たまに泣くような…そんな…そんな優しい女の子なんだ。それに…自分が傷付いても、僕のこと心配してくれる。」









冬彦はそう話しながら、短いながらも出来るだけ作った夏美との思い出を回想し、涙を流した。
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