暴風うさぎ




台風なんて上陸するとか言ってした事ないし、朝起きたら過ぎ去って天気がいいパターンがほとんど。

どうせ今回だって夜の内にどっかいくに決まってる。



『達也ー?今日学校休みだって連絡きたから!
お母さん仕事行くけど戸締まり確認してね』


『!』


次の日、そんなおふくろの声で目が覚めてカーテンを開けると外はどしゃ降りの大雨だった。


----------まじか。

俺の携帯には早速新井から着信が入っていた。


『あ、成見?今日学校休みだって。どうする?』

『いや、どうするって‥‥』


他にも遊びのメールが数件届いていたけどテレビを付けると既に上陸している台風の模様が中継されていた。

傘は折れ曲がり、歩くのも困難でおまけに停電してる地区もある。


『こっちに上陸するのも時間の問題じゃん。
つーかすげぇ強風だし外出るの嫌だよ』

『だよなー、』

『お前がうちにきてくれるなら話しは別だけど?』

『いや、無理無理、自転車ごとぶっ飛ばされそう!』


暇だけど仕方ない。

今日は大人しく家に居た方がよさそうだ。



< 21 / 37 >

この作品をシェア

pagetop