図書館>>>異世界
うわー、面倒くさい状況・パート2―。
『な…!髪が黒いだと…!?』
『有り得るのか…こんな、いや…しかし…』
現れた人は全部で五人。
皆さん馬に乗っていて、四人は同じ兵士って感じの服を着ているが、一人だけ明らかに身分の高そうな真ん中の兵士さんだけが、フードを目深に被っていた。
どうでもいいけど、フード目深に被るファッションって、流行ってるんすか?
相変わらずひそひそ話す四人の目は、明らかに警戒心が剥き出しだ。
つーか、髪が黒いと問題があるんだろうか?
海翔と天音は眼も髪も天然で色素が薄い茶色してるけど、それで二人とも苦労してたのを見ているから、黒い方が問題は無い気がする。
「失礼ですが…貴女は『ヨル』様ですか?」
今まで一切話さなかった真ん中の人が聞いてきた。
声からして多分、若い。
「『ヨル』と言う名前の人を、探しているんですか?」
秘技・質問返し。
だってさっき殺されかけてるしね!
言われなき暴力はもう、こりごりなんですよね。