君がいれば・・・①
「信也さんが褒めていたよ」



「えっ……」



「笑顔が良いって、私もそう思うよ そうでなければ君をモデルに推薦したりしない」



葉山は瀬奈を見てフッと笑った。



戸惑った顔も可愛いな。



彼は瀬奈が気に入っていた。


「葉山部長が推薦……?」



瀬奈は葉山部長の言葉に驚いた。



そこへポケットに忍ばせていた瀬奈の携帯がブルッと震えた。



「ちょ、ちょっと失礼します」



急いで立ち上がって電話が切れないうちにボタンを押す。



個室から出た通路だ。



「シンっ」



『セナ、』



そこで瀬奈の電話からざわめいた声が聞こえてきた。



『セナ、今外にいるのか?』



「うん、会社の人たちと飲みに来ているの」



もちろん男もいるよな……。



『君の横にいる男がうらやましいよ……』



「男の人はいないよ 今、廊下だもん」



瀬奈の頓珍漢な言葉にシンは笑う。



鈍感だな……セナは。



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