君がいれば・・・①
「なんだよっ!これだけ?姉思いの弟にこれだけ?」



まったく誰が姉思いの弟なのっ



せびりに来たチンピラみたいだよ。



「じょーだんっ まだあるよ」



四角い箱を渡す。



「うそっ!フェラガモの財布じゃん」



こんな気前にいい姉は初めてとばかりに瀬奈の顔をまじまじと見る。



「なんかいい事あったんだ」



和馬の含み笑いに瀬奈は枕を投げつけた。



「もう出てって!」



「瀬奈、さんきゅう~」



上機嫌で出て行った。



ベッドの上には和馬に渡したはずの韓国あかすりが置かれていた。



もう……。



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