君がいれば・・・①
どうしてもぼんやりとシンの事を考えてしまうのだ。



これが恋する乙女ってやつなのかな……。



従業員通用門を出て、以前にシンが立っていた場所へとつい目が行ってしまう。



あそこに……シン……?



あそこにシンがいたっけなんて思って見ると瀬奈は目を疑った。



「シ……ン……?」



想像し過ぎて本当に見えてきたなんて笑える。



瀬奈は目をぱちくりと数回繰り返した。



そうこうしているうちに、想像の人物は瀬奈の目の前に来ていた。



「セナ やっと会えた」



シンの腕にふわっと抱きしめられて瀬奈はびっくりした。



「シン……どうして……?」



シンの胸に頬を預けて信じられない気持ちで聞く。



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