君がいれば・・・①
前方が明るくなってきた。



もう終わるのだろう。



シンはキャップをかぶりサングラスをつけた。



瀬奈はと言うと、まだ胸がドキドキしていた。



ジフンに聞こえそうなくらい大きい音で。



まともにシンの顔を見る事が出来ずに最終地点に到着すると瀬奈は乗り物から降りた。



シンを待つ余裕などなく歩く。



「セナ!」



どんどん先を歩く瀬奈にシンが呼んだ。



瀬奈が立ち止まった。



「セナ、ショックだったの?」



追いついたシンが瀬奈の手をとってベンチに座らせた。



「ショック……そうなのかも……」



瀬奈は戸惑った瞳でシンを見た。



「ごめん……抑えられなかった」



シンが柔らかく微笑む。



ダメ……その微笑みは……。



サングラスをしていても微笑まれると体の一部が射抜かれたように痛い。





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