君がいれば・・・①
「……ううん……あの……シン、別れたいの」



瀬奈は唐突に言ってしまった。



電話の向こうからの瀬奈の言葉を、シンは一瞬聞き間違えたと思った。



『今なんて?』



「もう別れよう……元々無理なお付き合いだったの シンとの距離があまりにも遠いよ……」



『セナ、何かあったのか?』



セナが別れたいだって!?



「ごめんね……シン、さようなら……」



『待てよ! セナっ!!!』



シンの声を無視して瀬奈は泣きながら携帯のボタンを押した。



そして再び携帯の電源を落とした。



シンだってホッとしているに決まっている。



そう思おうとした。



瀬奈はもう一度顔を洗って泣いた顔がわからないようにお化粧を丁寧にした。



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