君がいれば・・・①
「セナに何を言った!?」


「俺も心苦しかったよ……」



「なぜ俺に言わなかった!?」



シンはジフンの胸倉を掴むと、ジフンの頬を殴っていた。



ジフンが部屋の隅に倒れる。



突然の騒ぎに辺りから悲鳴が聞こえた。



ジフンが口元から出た血を手の甲で拭う。



さすが空軍にいた事だけはあるな。



エリートの集団だが強くなくてはトップには行けない。



「兄貴、兄貴にはがっかりだ」



シンは何事もなかったかのようにその後演技をした。



ジフンはそんなシンを見ていた。



殴られた事は何とも思わない。



むしろ当たり前だ。



おじい様、シンは自分の気持ちを貫き通すでしょう。



帰りの飛行機では満足そうな祖父だった。



そんな祖父の思惑に、シンははまらないはず。



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