赤とオレンジの空


『なんか海にきたくなってさ。』

嘘ついちゃった。
でも、言えないよね。


『そうなんだ。私ね、
毎日朝の海を見ることが
日課になってるんだ。
海を見たらなんか落ち着くの。
辛い事、悲しい事……。
海は私の相談相手みたいな?
そしてね、
最後に海にお願いするの。
大事な友達を一人下さいって。
そしたらやっと七海に
海の神様が合わせてくれたんだ。』


え?
なんか私と同じことしてる…。
なんでだろ…………。
涙が止まらない。
飛鳥も一人で悩んでたんだね。
私もその辛さわかるよ。


『ここの海っていいよね。
すっごく光り輝いていて
こっちまで元気にしてくれる。
飛鳥の気持ちわかるよ。
実はね私、前の学校で
いじめられてた。
その時に、私の支えに
なってくれたのは空なんだ。
飛鳥と同じで辛い時、
悲しい時、私の相談相手に
なってくれたんだ。
夜空は、すっごくキレイなの。
キラキラしていて
辛い事なんて忘れるくらい。
そして、私もびっくり
したことがあるんだけど。』


『どんなこと?』


『飛鳥も、私も神様に
大事な友達を下さいって
お願いしてたんだよ。』






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