月夜の物語
「最近ではこの近くの町を城の者が捜索しています。ここは危険だ。新が帰ってきたらすぐに3人で逃げましょう」
「…ええ」
「今のうちに、荷物をまとめて。もうすぐ日が暮れる。夜は活動が止まります。そのうちに逃げ出すのです」
悠馬の言葉に海月は慌てて立ち上がる。
そしてふたりで荷物をまとめた。
陽は傾き、暗闇がやって来た。
そろそろ新の帰って来る頃だ。
かたりと、家の外でかすかに物音がした。
その音に気付いたのは海月のほうで、悠馬はそんな小さな音には気付かなかった。
海月が小屋を飛び出した。
悠馬が危ないと止めたが一歩遅かった。
バタンと扉が開いたと同時。
小屋の外で、山の静寂を掻き切るような悲鳴が聞こえた。