月夜の物語
「嘘でしょ…っ。いやぁ…」
海月は狂ったように新の体を揺すった。
「起きてよ、新!お願いだから…!」
「…姫!おやめください!」
「新!いやだぁ…!死なないで…置いていかないでぇ…っ」
悠馬は、泣き崩れた海月を支えることしかできなかった。
そうすることで、自分を保っていたのかもしれない。
自分までおかしくなるわけにはいかないから。
しかし、傷の痛みを感じていないかのように、安らかに眠っている新を見ると、勝手に涙が溢れ出した。
女遊びが好きで
すぐに仕事をさぼる厄介者。
でも底明るくて
無邪気で 無鉄砲で いつも無計画。
人一倍友達思いで
誰かを思いやる気持ちは誰よりも強かった新が。
そんな新が、死んだなんて。